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ロンドンの木管楽器専門店「Howarth」(英国留学③)

イギリス交換留学も半年が経ちました。全然ブログ更新できてませんが、そろそろラストスパートです。。。

とりあえず書きたい記事から書いていきますね〜

今回は、僕が留学先で参加するオーケストラで吹いている楽器、オーボエを取り扱うロンドンの楽器屋さんについてご紹介します。





僕:「今度ロンドン行くんだけど、オーボエ奏者として行っといた方が良いところある?」

オケ友達:「それなら私の楽器(オーボエ)のメーカーHowarthかな〜」




‥というわけで、ロンドンにある木管楽器専門店「Howarth」に行って来ました。

ちょうどリードが尽きそうになっていたので、もし買えれば新しいのが欲しいとも思ってて、ちょうど良かったです。

楽器屋の名前が、ブロンテの小説『嵐が丘』の舞台、ヨークシャー地方にあるHowarthという町と名前が一緒なのは、イギリス風情を感じますね。

俗に言うウェスト・エンドの一角に「Howarth」はあります。最寄駅はBond Street、Baker StreetかMaryleboneです。どの駅からでも徒歩10、15分とか。市街中心部のOxford Streetにある歴史ある百貨店セルフリッジ(Selfridge)から少し北に10数分歩いたところ、またはパディントン駅東側です。ロンドンの地理にあかるい方であれば、Hyde ParkとRegent’s Parkの間、シャーロックホームズで有名なBaker Streetをひとつ入ったところですぐに分かりますかね。
 
 
↑隣の隣の区画ぐらいでもうBaker Streetです(写真の左手前から右奥に抜ける通り)

取り扱っている楽器は主にオーボエバスーンクラリネット・サックスです。(フルートは無かったかな?)

ロンドンにあるダブルリード専門店としては、1番メジャーなお店なのではないでしょうか。楽器の製作・修理やアクセサリー、楽譜等の販売もしています。創業は第2次世界大戦後すぐの1948年と、フランス・ドイツの老舗メーカーにはかないませんが、十分歴史ある楽器屋さんです。オーボエ以外にも、バスーンクラリネット・サックス等も作っています。

カタログを見る限りでは、オーボエが1番フィーチャーされています。



↑Haworthのカタログ

日本でいうと、新宿にあるダブルリード専門店、JDRのような雰囲気が漂っています。


オーボエのコーナー
右手奥からレジ、楽器ショーケース、楽譜コーナー。左手にアクセサリーコーナー、地下室への階段、教則本コーナーとなっています。
奥に入るとリペアマンさんがいたりします
階段上の机というか板の上には、日本で開催される「国際オーボエコンクール」のチラシが


↑サックスのコーナー


↑外からみると一見オーボエ・サックス・クラリネットバスーンの部屋に分かれているようですが、店内はカウンター奥の内部で繋がっています
写真は混合木管アンサンブル楽譜専門の棚


↑この言語どこかで見たことある‥


↑テディベア文化圏なイギリスだけあって、マスコットキャラクターがくまさん

物凄くオーボエマニアな話になってしまいますが、日本の楽器屋さんではHowarthの楽器を扱っているのを僕は見たことがありません。けれどもお店を見てみると、初心者向けからプロ向けまで幅の広い商品展開をしているようです。ショーケースにはフランス・ドイツのメジャーなメーカーの楽器も扱っていました(マリゴ、ロレー、クラムポン、メーニッヒ)。名前は忘れてしまいましたが、これまた日本では扱っていないアメリカのメーカーも展示されていました(ラウビンではない)。

日本にも、国際オーボエコンクールの審査員としてよくいらっしゃるゴートン・ハントさんはHowarthのOboeを使用されています。 (参考:国際オーボエコンクールの審査員http://oboec.jp/jury_j/ ) プロでも使用者がいるということで、Haworthはイギリスの中では著名なようです。所属する大学オケでオーボエを吹いている2人もHaworthを使っています。日本でYAMAHAとかヨーゼフを使う人がいるのと同じですね。

それぞれの部屋には地下室があって、それも内部で繋がっているようです。オーボエの部屋にある階段を降りた先の地下室、というか練習室(practice room)で楽器やリードの試奏をさせてくれます。当日、楽器を持って行っていなかったのですが、ショーケースのロレーを貸してくれました(恐れ多い‥笑)。


↑リードは試奏できます
アルブレヒト・マイヤーと同じ形状のリード!」っていうのがあって欲しくなりました‥笑
大学(地方都市)のオーボエの友達は「Howarthの通信販売で購入している」と言っていたので、日本のJDRアクタスのように、店頭販売で試奏して買えるのは大きな発見です

この日は結局リードを買わずに帰りました。日本から持ってきたリードの方がまだ良いかな笑、とか思いまして。 あと、貸してくれたロレーの調整が狂ってて、リードの良し悪しが判断できないというのせいもありました笑

というのも、イギリスのオーボエはサムプレート方式といって、真ん中のドの音に左で親指の位置にある「サムプレート」というキーを押すことで、音がまろやかになる方式を採用しています。なので、貸してくれたロレーのセミオートマチックのコンセルヴァトワール方式はあまり調整してないのかな、と感じました。Haworthのオーボエも試奏してみれば良かったな〜

また、思いがけず「楽器を自分で調整しよう」、「自分でリードを製作・調整しよう」という、日本ではなかなかお目にかからない本を見つけたので、衝動買いしてしまいました‥笑


↑日本語の本ではあまりお目にかからないタイプの本
Oboeは精密機械なので楽器調整はアマチュアには難しいのです


↑「The Oboe Doctor」目次

↑ホリガー、リーバーマンといったそうそうたる奏者の推薦文が


↑「Guide To Oboe Reed Making」目次一部
指揮者バルビローリのお嫁さんでグーセンスのお弟子さん、ロンドン響2番目の女性木管奏者でもあったイーヴリン・ロスウェル(Evelyn Rothwell)さんのリード指南本です


↑袋

最後に一応触れておくと、英語でオーボエは「オーボゥ(oubou)」と発音します。「オーボエ」はドイツ語なので、スペリングは同じでも微妙に発音が異なるのがミソですね。

以上、ロンドン・イングランドからお送りしました〜!

(今度時間があれば、YAMAHAのロンドン支店にも行ってみようかと思います)